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第7期 雀王決定戦観戦記1

 

順位
名前
TOTAL
1日目
2日目
3日目
最終日
1
鈴木 達也
245.5
63.4
151.8
30.7
-0.4
2
小倉 孝
179.9
-45.4
-59.9
91.9
193.3
3
崎見 百合
-181.0
-16.8
-27.3
-10.8
-126.1
4
須田 良規
-250.4
-2.2
-65.6
-113.8
-68.8

 

【3日目観戦記】 1日目観戦記 | 2日目観戦記最終日観戦記

朝、スピーカーから音楽が響く。
いつもの時間、いつもの音楽。
私は音楽で己を表現するアーティストが好きだ。
ライブハウスという空間で、表現する彼らを心から尊敬する。
今日は、場所を変え卓上の表現者を見に行こうと思う。
起きるとすぐに神楽坂の方向へ歩を進めた。

11回戦(崎見→小倉→須田→鈴木)

戦いが始まる前にポイントの確認。
10回戦終了時点で、こうなっている。

鈴木+215.2
崎見▲44.1
須田▲67.8
小倉▲105.3
供託+2.0

鈴木が抜ける形。何事もなければこのままゴールテープを切りそうだ。
鈴木はポイントを守りきれるのか、追う三者はどういった戦いを見せるのか・・・

東1局、先制したのは小倉だった。手牌をまとめ、静かにリーチと声が漏れる。

小倉(南家)
六萬七萬八萬一筒二筒三筒四筒五筒五筒六筒七筒七索七索 ドラ六萬

この時点で戦える形なのは鈴木だけ。じりじりと歩み寄る。
残り1巡の終盤、須田は完全安牌があるのだが鈴木に五索を差し出す。
前巡の鈴木の少考を見てのことだ。

鈴木(北家)
三萬四萬五萬三筒七筒七筒三索三索四索四索五索八索八索 ドラ六萬

鳴いて三筒を切ればテンパイである。トータルのトップ目、残りツモ番も無くドラも見えていない状況。
鳴いて小倉のハイテイ牌をずらすのかなと見ていると、三筒を切り出しテンパイを取った。
鈴木に守るなんて言葉は、必要ない。幾度となくこの光景を私は見ることになる。

たった3900の点棒移動にすぎないが、須田の策略、鈴木の意志を見て子供のようにワクワクしてしまった。


東3局、そんな策士須田に勝負手が入る。

鈴木の立直を受けて、この手牌。

須田(東家)

三萬三萬三萬四萬四萬五萬四筒五筒七筒八筒九筒四索發發 ドラ發

須田が打ち出したのは安全な五筒
まっすぐ四索を切っていきたいのは山々だが、鈴木の待ちはマンズかソーズにほぼ絞られている。
すでに六筒が3枚飛んでいることもあり、他のソーズを引いても受けが利くように、四索を残す。
しかし、そのためすぐに五萬を引くもテンパイには及ばず、崎見の4枚目の六筒を捕らえることが出来なかった。
14巡目にようやくテンパイをはたすが、同巡に鈴木のツモアガリ。


東4局、今度はとばかりにまっすぐ進めて須田が1300・2600のアガリ。
微差ではあるが鈴木をラスに落として南場を迎える。


南1局、道中小倉の手が止まる。

小倉(南家)
六萬六萬六萬七萬八萬一索一索二索三索四索七索九索白白 ドラ白

何もなければソーズの上を払いそうだが、一索が場に2枚枯れ。
ここは一索を切った方が良さそうだが、小倉の選択は九索
すぐに裏目の八索を引いて、次巡ツモ九萬
須田との二人テンパイで終える。


南3局2本場、わずか2巡目の出来事。小倉が先制リーチ。

小倉(北家)
七萬七萬七萬四筒六筒二索三索四索六索七索八索九索九索 ドラ四萬

有効な手変わりもほとんどなく、これをアガればオーラスを優位に迎えられる。
そうあっては、当然のリーチか。
そこに向かったのは須田。配牌からピンズと字牌を与えられると一直線。

須田(東家)
一筒二筒七筒八筒九筒南南南北北北發發

なんと跳満のテンパイ。六筒も切っており、平然を装い待ち構えている。
だが、肝心の三筒は崎見に4枚。途中切り出す手順もあったのだがなんとか崎見は堪える。
『なぜアガれないのだ』
須田の声が今にも聞こえてきそうだった。
待ちがカラでは勝てるわけもなく、終盤小倉のツモあがり。


南4局を迎え、微差ではあるが鈴木がラス目。

鈴木22200
崎見23300
小倉29600
須田24900

『このまま、どうかこのままで。』

それまで息をひそめていた崎見に手が入る。
序盤から手役を意識する手組を見せ7巡目にはこの形。

崎見(南家)
二萬二萬三萬三萬四萬四萬五萬五萬四筒七筒五索六索七索七索 ドラ八萬

万全の状態。ここから切り出した七筒に突然声がかかる。
須田が狙ったかのようなジャストタイミングの七対子ドラドラ。
できることならば鈴木からアガりたかったが、そうも言ってられない。

接戦を制したのは須田。2番手となった須田だが鈴木までは遠く長い道のりである。


崎見▲43.1 小倉+9.6 須田+51.3 鈴木▲17.8

(11回戦終了時)
鈴木+197.4
須田▲16.5
崎見▲87.2
小倉▲95.7
供託+2.0


12回戦(小倉→崎見→須田→鈴木)

東1局、小倉が崎見から1500を出アガリ。小倉は親番となれば親権を離そうとしない。
仕掛け・リーチを多用し、他を圧倒していく。そんな小倉が見れるのだろうか。

続く1本場、放銃した崎見であったが早い段階で手がまとまりイーペーコー含みの平和リーチ。
何も違和感がない。すっとアガれるものだろうと思っていた。
そのリーチに対し、ドラを含む5連続無筋を切り飛ばす者がいた。
鈴木達也、その人である。トータルトップがここまでするのだ、おわかりだろうか。
崎見が、静かに七筒を置く。

鈴木(北家)
五萬五萬五萬二筒二筒二筒七筒發發發中中中 ロン七筒 ドラ六筒

決定戦、二度目の役満である。
ここで鈴木の優勝が決まり無事に第8期雀王戦決定戦を終えることとなった。
〜fin〜
そう書いて、観戦記を終えようかと思ったぐらいだ。
強く崎見のアガりと流局を願ったが、鈴木の前では意味をなさない。
アガリにかける嗅覚は間違いなく一流である。

観戦者にも伝わるような重い空気が流れる。
『はい』という点棒を支払う崎見の声が震えているように聞こえた。
なんとか気持ちを整え、賽を振る崎見。立ち止まってはいられない。


東2局、開始早々西家鈴木がポンの声。

一萬三萬三萬四萬五萬二筒四索七索七索白 ポン發發發横 ドラ九索

こうなれば、場を流すのみ。受けるのではなく攻める。
そうやって、勝ってきたのだろう。
現雀王の小倉、鈴木の好きにはさせないとばかりにリーチで追い縋る。

小倉(北家)
六萬八萬一筒一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒七索八索九索 ドラ九索

宣言牌が、四萬。現代麻雀においては極端に危険度を増した筋引っかけだが、意に介さず小倉は曲げる。
『何でも』ではなく、『何度でも』という印象が強い。

リーチを受け、引き気味に打つかと思われた鈴木だがテンパイを取りに鳴きを入れる。

鈴木(西家)
一萬三萬三萬四萬五萬七索七索 チー二索横三索四索 ポン發發發横

二人の捲り合いに見えたが、鈴木の持つマンズ一萬三萬三萬四萬五萬の内、一萬三萬四萬が場に通る。
これで、流局まで降りられそうだなと見ていると鈴木がポンの発声。

鈴木(西家)
四萬五萬七索七索 ポン三萬三萬三萬横 チー二索横三索四索 ポン發發發横

カン二萬から三萬六萬への受け代え。

『は?何が起こったんだ。発声間違いか?』

そう思うも、鈴木は涼しい顔をしている。

『安全牌を場に3枚捨てる行為ですよね?』

『安全牌を場に3枚捨てる行為ですよね?』

大事なことなので、2回言おう。
こんな、打ち筋教科書で習ったことがない。嘘だろ、嘘なんだろ。
力なく、小倉の手からこぼれ落ちたのは六萬だった。

鈴木(西家)
四萬五萬七索七索 ポン三萬三萬三萬横 チー二索横三索四索 ポン發發發横

鈴木の為にある遊戯かと勘違いさせられた。「鈴木圧勝」そうメモには残っていた。

小倉▲21.9 崎見▲52.5 須田+11.6 鈴木+60.8

(12回戦終了時)
鈴木+258.2
須田▲4.9
小倉▲117.6
崎見▲139.7
供託+4.0


13回戦(小倉→鈴木→須田→崎見)

2位の須田でさえ260ポイント以上鈴木との差がある。
並び作りを強く意識しないといけない段階にあるであろう。
もう遅いのか、そんなのは結果が出てから考えればいい。

東1局、さくっと鈴木が5200の出アガリ。トータル2着目の須田からというおまけ付き。
このまま、走ってしまうのだろうか。

東4局まで、小場が続き迎えた1本場。
親の崎見にやっと手が入る。

八萬九萬一索一索一索二索九索九索東北北發中 ツモ二筒 ドラ一索

チャンタ含みのドラ3、どう仕掛けていくのかが楽しみだ。
と、そんな時にやってくるのが鈴木。打ち砕くかのように7巡目リーチ。

鈴木(西家)
二萬二萬二萬四萬四萬四萬四筒五筒五索五索六索七索八索 ドラ一索

が、誰も怯むことはなかった。
小倉はイーシャンテンから無筋の五萬。須田は、ホンイツテンパイから同様に無筋。

しかし、アガリを拾ったのは崎見。
片アガリが残る牌姿から果敢に鳴き、アガリを引き寄せた。

八萬九萬一索一索一索九索九索 ツモ七萬 チー一筒横二筒三筒 ポン北横北北

ふぅ、と一息つくもこのまま簡単に勝たせてくれないのがこの面子である。


南1局、親の小倉、僅か3巡目で三暗刻が手の内で完成する。
すぐにテンパイが入り迎えたのが7巡目。

小倉(東家)
四萬四萬四萬五萬五萬五萬九萬三筒四筒五筒中中中 ツモ四筒 ドラ六筒

ここが選択の分かれ目。四暗刻を見るのなら四筒残しなのだが、ドラそばであり五筒が表示牌にある。
三筒または五筒を引いたところで、シャンポンに受け替えるのだろうか。
手変わらない場合は最悪で、四筒単騎で待ち続けることになる。
そんなこともあり、小倉は盤面的には絶好の九萬単騎待ちを続行する。
そこに、須田からリーチが飛ぶ。小倉が引いてきたのは三筒
須田にはもちろん切れない。小倉は九萬を切ってリーチを宣言、渋々といったところか。
やはりというか、須田が同巡九萬を掴んで、小倉が唇を噛む。しかし・・・。

小倉(東家)
四萬四萬四萬五萬五萬五萬三筒三筒四筒五筒中中中 ツモ三筒 ドラ六筒 裏ドラ二筒

なんと一発で三筒を引きアガリ6000オール。
四暗刻を逃す形にはなっているが、最善を選択したのであり結果とは別物である。

困ったのは、崎見。やっとトップが見えたかなと思ったらたった一局で転落。
だが微差の2着目なので、まだまだ分からない。


迎えた南3局、前局さらに小倉に2000・4000をツモられ水を開けられた崎見の踏ん張りどころ。
僅か6巡でテンパイが入る。ドラもないタンヤオだが崎見は曲げるしかない。
が、いつものテンポでそのまま縦に牌を置く。そして次巡。

崎見(南家)
五萬六萬六萬七萬七萬八萬三筒四筒五筒六筒三索四索五索 ツモ三筒 ドラ九筒

一発で、引きあがった三筒を見て何を思っただろうか。
親番が残っているとはいえ、ここでの小さな加点は意味がない。
『500・1000』そう宣言した崎見には、ラス親での余力は残されていなかった。


小倉+66.4 鈴木▲28.9 須田▲56.5 崎見+19.0

(13回戦終了時)
鈴木+229.3
小倉▲51.2
須田▲61.4
崎見▲139.7
供託+4.0


14回戦(鈴木→崎見→小倉→須田)

鈴木が、どうもラスを引いてくれない。残り7回、このペースでは誰も追いつけない。
暴れまわる鈴木に首輪を付けるのは誰なのだろうか。

東1局、またも鈴木が先制する。2000オール。
が、次局あっさり崎見に8000を放銃する。降りる牌はあったが、それが鈴木なのだろう。


東2局、それに気を良くしたのか親番で崎見が5面張を一発ツモ。4000オールで抜ける。


東3局、11回戦以降燻り続けた須田が賭けに出る。

須田(南家、残り1巡)
二萬三萬四萬五萬六萬一筒三筒四筒五筒六索六索六索七索八索

崎見から先行リーチが入っており、打ちだす一筒は無筋、加えて一萬がフリテン。
が、鳴きが無ければ一発ツモとハイテイが来る。
麻雀どこかで勝負はしなければならない、もう先延ばしには出来ない。
ドラも場に3枚見えているし、通っていない筋は9筋もある。
よって打一筒でリーチを宣言するも、これが見事に崎見に捉えられ8000を献上。

南2局2本場にも、崎見に止めようがないダマテンの12000を放銃する。
崎見の持ち点は70000点を超える。が、須田が割を喰っているだけで鈴木の点棒が減らない。


南3局1本場、小倉が2600オールをツモアガりなんとか鈴木の着順を3着に落とす。


南3局2本場、崎見が鈴木のリーチを潰すぐらいしか残っていなかった。


南4局、点棒状況としては

須田△11700
鈴木17700
崎見70900
小倉23100

理想は、須田が連荘しての鈴木をラスに落とすこと。
次いで現状維持だろうか。一番やってはいけないのは、鈴木の着順UP。

開始早々、小倉が仕掛けを入れる。ドラを対子にした仕掛け。
が、中盤に鈴木が一索のポンを入れる。異様な捨て牌で何だかわからない。

それに追いついたのは崎見。
加えて須田からもリーチが飛ぶ。

鈴木(南家)
八萬八萬八萬七筒七筒七筒八筒八筒北北 ツモ八筒 ポン一索一索一索横 ドラ四索

だがアガリを手にしたのは鈴木。リーチ者からの2600出アガリでは、2着に届かなかった。
いとも容易くツモアガリを決めた鈴木に、会場から感嘆の声が上がる。


鈴木+7.7 崎見+87.9 小倉▲18.9 須田▲76.7

(14回戦終了時)
鈴木+237.0
崎見▲32.8
小倉▲70.1
須田▲138.1
供託+4.0


15回戦(崎見→須田→小倉→鈴木)

何が起きても変わらない点差。変わるのは2番手の選手の名前だけ。

東1局、当然のようにアガリは鈴木。
親の崎見のリーチを交わして一牌もツモの機会を与えることがなかった。

東2局、1本場と須田が流局でなんとか粘る。戦う姿勢がそこにあった。

東2局3本場、タンヤオドラ2でテンパイを入れる須田に対し、崎見がリーチ。

崎見(北家)
一萬二萬三萬七萬七萬一筒二筒三筒四筒五筒六筒二索四索 ロン三索 ドラ四索 裏ドラ七萬

須田が、三索を掴みなんと裏裏で8000の放銃となる。
今日の須田を象徴するかのような展開。なんともいえない表情で点棒を手渡す。


東3局、やはりこの人が主役なのだろうか。また鈴木からの先制リーチが入る。

鈴木捨て牌
北中中白一筒三筒
九索七索九筒九筒横(リーチ)

崎見(西家)
四萬六萬六萬四筒四筒五筒六筒八筒二索二索二索六索六索八索 ドラ七筒

九筒は対子落とし。さあ、貴方なら何を切りますか。
抜くなら六筒しかないかもしれない。
吸い込まれるように置いたその牌に、無情にもロンの声。

鈴木(南家)
二萬三萬四萬五萬五萬六萬七萬八萬五筒七筒三索四索五索 ロン六筒 ドラ七筒 裏ドラ八萬

言葉もなにも思いつかない、そこにあるのはただ鈴木がアガった現実だけ。


東4局、小倉がアガリをねじ込む。リンシャンから掘り起こし、新ドラ2つで2000・4000。
詐欺みたいなアガリだが、こうでもしないと追いつけない。


南1局、珍しくというか鈴木が初めて役も何もないカン三索のリーチを打つ。
これを当然のようにツモアガると、望外の裏々。
鈴木の手順がすべて正解に見えて怖くなった。


この後、鈴木が8000を放銃するも、迎えたオーラス1本場。
鈴木が9巡目にてこの牌姿。

鈴木(東家)
八萬八萬五筒五筒北北北 チー四萬横五萬六萬 ポン白白白横 ドラ北

あっさり小倉をまくってしまうかと思われたが、ここは小倉が1000点で逃げ切った。

六萬七萬八萬九萬六筒七筒八筒發發發 ロン六萬 チー一索横二索三索


崎見▲22.1 須田▲43.5 小倉+56.7 鈴木+8.9

(15回戦終了時)
鈴木+245.9
小倉▲13.4
崎見▲54.9
須田▲181.6
供託+4.0


最後まで、攻め続けた鈴木。強さを皆に見せ付けるには十分すぎた。
4日目が、必要なのか。そんな疑問が頭をよぎる。
自分には再現が出来ないような手順を多々魅せられた。
主役は鈴木達也。ひいきでも何でもなく、単純にそう思えた。


(文:内海 元)

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