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順位
名前
ポイント
1回戦
2回戦
3回戦
4回戦
5回戦
1
下石 戟
107.9
8.9
23.2
57.3
-44.4
62.9
2
金 太賢
97.8
67.1
-14.6
12.4
52.9
-20.0
3
仲林 圭
-16.3
-54.4
65.0
-22.1
-16.0
11.2
4
宮崎 和樹
-191.4
-21.6
-73.6
-49.6
7.5
-54.1

【1日目観戦記】 | 2日目観戦記 | 


神の不在。
ゼウスと呼ばれ、7年連続で決定戦で戦い続けた鈴木たろうはいない。
全員30代であり、挑戦者は3名とも初の決定戦。
協会の新時代の幕開けを思わせるフレッシュな顔ぶれとなった。

「Aリーグ1位」仲林 圭
7期前期入会。
第10期雀竜位、第7回オータムチャレンジカップ優勝。
精度の高い門前牌理と押し引きバランスが持ち味のオールラウンダー。
冒頭の挨拶では1番緊張しているように見えた。

「Aリーグ2位」下石 戟
8期前期入会。
第6回オータムチャレンジカップ優勝、ウェスタンCS2011優勝。
Aリーグ1年目にして決定戦の進出を決めた。
本人は実績・経験は1番下だと謙虚な姿勢を見せていたが、内に秘めた炎は決して小さくない。

「Aリーグ3位」 宮崎 和樹
3期後期入会。
入会数ヶ月で連盟のG1タイトルである王位を戴冠。
当時21才での最年少記録はそう破られないだろう。
麻雀オフ会や人狼など、活動の幅が広くファンも多い。
この決定戦初日が35歳の誕生日であり、いい1日を過ごしたい。

「雀王」 金 太賢
4期後期入会。
2017最強位も戴冠し、「最強雀王」の称号をもつ。
全国麻雀選手権も準優勝と、勢いが止まることを知らない。
心・技・体の充実は申し分ないだろう。
赤いジャケット、花柄シャツ、金ネクタイという勝負服を身に纏い、この世代の筆頭として挑戦者たちを迎え撃つ。


★1回戦
東1局から波乱の幕開けとなった。

この手をリーチしない協会員が一体どれほどいるだろう。
国士を警戒した宮崎のヤミテン選択は淀みなかった。


下石、1枚も余らず遂に国士無双テンパイ。


待ち選択で場に2枚切れのカンで金がリーチ。
「愚形待ちは枚数」というのが一般的だが、が生牌なのは気持ち悪いか。
は山に2枚、はあと1枚。
下石がドラを勝負し、場に一気に緊張が走る。果たして結果は・・・


雀王強し。海底ツモの満貫だが、打点以上にインパクトのあるアガリとなった。

金は2600オールで更に加点すると、次局さらに役あり満貫確定のリーチで攻める。
そこへ待ったをかけたのは下石。

スジであり金の現物待ちでリーチ。丁寧な回し打ちでテンパイを入れた仲林から12000は12300の鋭いアガリ。
初の決定戦でいきなり役満をテンパイし、空振りに終わった下石。
このアガリで吹っ切れたように見えた。

ここから3局連続で雀王の技が冴える。

ダマで平和のみの出アガリはなんとまだ4巡目。
巡目の早さ、競っている下石の親番、2巡目の切りからリーチする人が多そうだが、これが金のバランス。
局消化の重要性、子の平和のみはリーチしない自分のスタイルを貫く。


自分でアガリも見込める手。一盃口とドラ受けもありアガれば大きいが、打として完全にやめた。
ただしオリる上でも最善を尽くす。
・宮崎の国士に対しては4枚目。
・ラス目の仲林に連荘されたくない。
・下石はをポンして喰いタンの可能性が高いが、トイトイもケア。
以上の理由から、親の仲林の安牌で2枚切れのを選択。
これを下石が仕掛け、次巡で下石に差し込みタンヤオ1000点の放銃。
実際親の仲林にはドラ暗刻の勝負手が入っており、場がよく見えている。


南1局、第1ツモでドラが重なり4トイツ。
これを役牌のと切り出していく。
・重なってもチートイツのイーシャンテンのため、本来の役牌としての価値は低い。
・本手としてアガりたいため、相手が重ねる前に処理。
・チートイツとして完成した時の河の強さ。

序盤の河において、役牌とオタ風では相手に与える情報が変わる。
一見地味に見える細かい所だが、この作業の繰り返しによる恩恵を金は知っている。

南3局1本場

のトイツ落としで対応しつつ仕上げた金、ライバルの下石から満貫の直撃で勝負あり。

協会ルールはトップが偉いと口を揃えて皆言うが、攻めるばかりが芸ではない。
「トップを守る」
大胆さと繊細さを見せた金から、そんなメッセージが伝わってきた。

1回戦スコア
金 +67.1
下石 +8.9
宮崎 ▲21.6
仲林 ▲54.4


★2回戦
金の立ち回りが目立った1回戦だが、ほぼ全ての局に参加した男は別にいた。下石だ。
彼は引き続き、その攻撃性を発揮する。

東1局、親の金がトイトイ仕掛けをする中で

跳満のツモアガリで先行。

東3局1本場。

手広さならだが、三色をより強く意識した打。次巡のもツモ切り。
下石は高打点のチャンスはギリギリまで追うタイプだ。
打点を作ることで、相手の攻めにも押し返しが効く。
この攻撃性が下石の局参加率の高さに繋がっており、テンパイ料をもらう機会が多い。

構想通りのリーチで宮崎から5200は5500のアガリ。
「攻めて勝つ」
金とはまた違ったトップへのアプローチが実に面白い。

南1局
親の金のリーチを受けて宮崎の手番。

現物はのみ。ドラトイツの勝負手だがが2枚切れ。やや押し出される形でを切ると

リーチドラ5の18000の放銃。

南4局

基本的に打牌テンポのいい仲林の手が止まった。
満貫出アガリでトップ。
イッツー か三色を見たい所だが、自分でを切っている。ドラがというのも悩ましい。
とすると、すぐドラを引いて裏1条件のリーチ。
親の宮崎も平和ドラドラで追いかける。
2枚対4枚、宮崎が枚数有利の勝負。その決着は早かった。

裏1で満貫をアガリ、トップは仲林。

2回戦スコア ()内はトータル
仲林 +65.0(+10.6)
下石 +23.2(+32.1)
金 ▲14.6(+52.5)
宮崎 ▲73.6(▲95.2)


★3回戦
南1局3本場。

直前の中をスルーした下石。鳴いてホンイツの満貫が見えるがメンゼン進行とする。

この選択がバッチリ決まった。4000は4300オールで大きくリード。

南3局2本場、宮崎がツモ切りリーチ。
リーチを受けて一発目、親の金が1分の長考とする。

宮崎の最終手出しは直前の。筋のは宮崎の当たり牌だ。
ツモ切りリーチの意味、自分の手牌の価値、持ち点。
複雑な判断材料を総合的に吟味した上で金の結論は、

手牌唯一の役である切りリーチ。これは凄い。
しかしその選択に驚くのも束の間、仲林も名乗りを上げた。

金から一発で討ち取り、裏も乗って5200。

南4局
満貫ツモでラス回避の宮崎がテンパイ。

ツモ裏でトップの金が追いかける。

親の仲林は回し打って粘るがノーテンで流局し、下石の初トップ。
オーラス道中でアガリ牌を食い下げられ、見逃しを選択した宮崎の胸中は想像を絶する。

3回戦スコア ()内はトータル
下石 +57.3(+89.4)
金 +12.4(+64.9)
仲林 ▲22.1(▲11.5)
宮崎 ▲49.6(▲144.8)


★4回戦
東3局1本場。

タンヤオ、ドラ、平和を全部見て打とすると

メンタンピンは正義。
これぞお手本といったメンゼン手順でのアガリを見せた。

南4局

鳴きやすさと安全度でを先切りした金が、狙い通りの仕掛けでトップを決めた。
親のリーチを潰された仲林は痛恨の3着。

4回戦スコア ()内はトータル
金 +52.9(+117.8)
宮崎 +7.5(▲137.3)
仲林 ▲16.0(▲27.5)
下石 ▲44.4(+45.0)


★5回戦
東3局1本場。

どう見ても悪い配牌。
好配牌をもらった他3人の誰のアガリか考えていたが、今日の下石は一味違った。

最後まで無駄ヅモ一切なしの一発ツモ。
4100オールで大きく差を広げる。

東4局
仲林からリーチが入る。
現物はメンツに組み込まれた1枚だけの宮崎。トイツのに手をかけると

なんとメンホンチートイドラ4の倍満。

南3局1本場。

ドラがすでに2枚切れ。ここからドラ受け両面を嫌ってホンイツを狙うと

ライバルの金から直撃し、より連対に近づく価値の高いアガリに。
仕掛けながら打点を作る。仲林の得意な打ち方だ。

オーラスは全員ノーテンで流局し、静かな幕引き。下石が2回目のトップを飾った。

5回戦スコア ()内はトータル
下石 +62.9(+107.9)
仲林 +11.2(▲16.3)
金 ▲20.0(+97.8)
宮崎 ▲54.1(▲191.4)


トータルで見ると、金と下石が2勝ずつでリード。
2人が対立する構図が多く、アガリへの工夫や対照的なトップ目での立ち回りが印象深い。
決定戦に向けての入念な準備を感じさせる内容だった。

仲林は手牌と展開に恵まれないことが多い中で、被害を最小限に抑えている。
本来の持ち味を活かせるチャンスは必ずやってくる。リーグ戦で圧倒的なスコアを叩いた力を発揮するのは時間の問題だろう。

宮崎は大幅なマイナスと苦しいスタート。
全体的に仕掛けが多く小場を狙った進行が見られたが、3人にどっしりとメンゼンで構えられると厳しい。
しかし協会ルールでは、まだまだ挽回のチャンスはある。残り15半荘、巻き返しに注目したい。


                                                                          (文・佐治敏哲)

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