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順位
名前
ポイント
1日目
2日目
3日目
16回戦
17回戦
18回戦
19回戦
20回戦
1
角谷 ヨウスケ
174.6
17.4
12.8
-74.9
2.1
58.7
16.9
64.8
76.8
2
鈴木 たろう
158.1
122.0
-28.9
104.0
-54.5
13.3
62.8
-63.3
2.7
3
木原 浩一
10.4
-16.2
-67.2
116.3
74.5
-23.6
-30.1
-16.1
-27.2
4
小川 裕之
-349.1
-125.2
80.3
-145.4
-22.1
-48.4
-50.6
14.6
-52.3

【最終日観戦記】  | 1日目観戦記 | 2日目観戦記 | 3日目観戦記 | 

★16回戦★

東1局、“New角谷”らしさが出る。
序盤からホンイツ模様だが角谷が仕掛けずにメンホンチートイツドラドラを、トップを走るたろうからアガり角谷は最高のスタートを切る。

 ロン ドラ
普段ならを早い段階で仕掛けている角谷。今日は腰を重く構える。

東3局、またもたろうが振込み役になってしまう。

 ロン ドラ
親の木原の三色ドラのダマテン7700。

その時たろうの手牌。
 ツモ ドラ
満貫が見える完全イーシャンテン、木原の捨て牌的にも止まる牌ではない。

東4局1本場。
小川の親リーチを受けた木原、後手から満貫確定の手となりリーチで反撃。
 ドラ
程なくしてをツモリ、裏ドラはなんと
10本折れの倍満をツモアガる。小川は今日も苦しい。

南1局、東場で点棒を蓄えた木原。
点棒を失ったたろうの親を確実に流すべくピンフ三色をダマテンに構えすぐに出アガリ。
 ロン ドラ
木原、当然の選択を着実に行う。目的に対する選択のアプローチが実に的を射ている。

南3局、木原の小川へのアシストでたろうの大物手成就を妨げる。
たろうの手が、
 ドラ
となった時点で、木原はダブを仕掛けた小川が鳴けるように牌をおろし、小川が1000・2000ツモ。

相手との距離感、相手の速度が実によく見えている。麻雀は自分がアガる以外にも実に多くの選択肢があるのだ。

16回戦スコア ※()内はトータル
木原 +74.5 (+107.6)
角谷 +2.1 (▲42.6)
小川 ▲22.1 (▲212.4)
たろう▲64.5(+142.6)

 

★17回戦★

東1局1本場、角谷は決定戦中に打ち方を徐々に変化させているように見える。
木原の先制リーチを受け後手を踏んだ角谷、ピンフテンパイもヤミテンに構える。
 ドラ
三色やドラ引き後に勝負という考えだ。

満を持してツモでと入れ替えリーチに出る。

結果は三色ではないがを一発でツモ。今日の角谷には何だか期待が持てる。

南2局
角谷は自信のあるリーチを打つとツモ牌を見せることにもこだわるエンターテイナー。

 ドラ
視聴者を良い意味で煽れるのもプロとして大事な素質である。
目論見通りをツモリ2600オールでこの半荘ダントツになる。

南4局1本場、たろうもズルズルと引きずり落とされる訳にはいかない。
 ロン ポン ドラ
後のない小川から8000をアガりたろうが2着を決める

小川はここで事実上脱落となってしまった。

17回戦スコア
角谷 +58.7 (+16.1)
たろう+13.3 (+155.9)
木原 ▲23.6 (+83.8)
小川 ▲48.4 (▲260.8)

 

★18回戦★

東1局

 一発ツモ ドラ 裏ドラ
角谷がまず先手となる一発ツモによるアガリで1300・2600。

東2局、親たろうに喰ってかかる者2名。
まず先制リーチは角谷。
 ドラ
高め三色、安目でもイーペーコーの満貫確定リーチ。

木原が同巡、追いかけリーチ。高めタンヤオで場況良し。
 ドラ

たろうも追いかける。
 ドラ
ダブが山に2枚で破壊力抜群。

程なくして角谷がをツモ。角谷からしたら喉から手が出るほど欲しかったアガリ牌。雀王戴冠が見えてきた。

東3局、木原の先制リーチ。
頑なに老頭牌の受け入れを拒否して育てたタンヤオドラでリーチ。
 ドラ

たろうが食らいつき追いかけリーチを打つ。

 一発ツモ ドラ 裏ドラ
途中、高い打点で裏目を引きにくい手順が功を奏した。

東4局、ツモにより素点を削られ打点込みのリーチもたろうに蹴られた木原がピンフ・ドラドラのテンパイ。
勿論即リーチと出る。
 ドラ

しかし2巡後に木原が持ってきたにたろうの手が開かれる

木原からたろうへホンイツ・チャンタ・役牌の8000放銃。手痛い放銃。たろう2連続満貫成就。

南1局、たろうが先制リーチ。
 一発ロン ドラ 裏ドラ
裏ドラを3枚乗せて3局連続満貫。気まぐれに表情を変える裏ドラ表示牌。

満貫ってこんなに簡単なのかと錯覚する程、たろうの技量は別次元である。

南4局 親・角谷
角谷:37900
木原:10900
たろう:43800
小川:6400

角谷が取った開局のリードは気付けばビハインドに変っていた。
たろうがトップ目で終わることは追いかける身として苦しい。皆たろうよりは角谷にトップを取らせたいと考える。

角谷の捨て牌


ハイテイ牌をツモるはずの木原がすかさずチーで反応。親が鳴けそうな牌を考える。
もちろん対面に座っていた小川の捨て牌も含めての長考。結果角谷の鳴ける牌は持っていなかったが、決定戦終盤らしい戦いが見られた。

18回戦後の様子。

卓上に視線を落とし、静かに佇む木原が印象的であった。
今の結果は200通りをシミュレートしたという木原の想定の範疇の1つだろうが、状況は苦しい。

18回戦スコア
たろう+62.8 (+218.7)
角谷 +16.9 (+33.0)
木原 ▲30.1 (+53.7)
小川 ▲50.6 (▲311.4)

 

★19回戦★

東1局2本場
小川が親で少々点棒を積んだ後、角谷がリーチをかけツモアガる。

 ツモ ドラ 裏ドラ

たろうへの挑戦者は木原か、角谷か。
まずは角谷が一番手に名乗りをあげる。

東2局
 ツモ ドラ 裏ドラ
小川、裏ドラがでハネ満のツモアガリ。たろうが親被りでラス落ちする。

東3局、角谷の親番が始まる。
 ツモ ドラ 裏ドラ

東3局1本場
小川のがヤミテンを張っていた角谷に捉えられる。

 ロン ドラ
12000は12300をアガりトップ目に立つ。暫定的にたろうとのトップラスの並びが完成する。

東3局2本場、強者の山読みがズバズバと的を射る。
先制テンパイはたろう。
 ツモ ドラ
ヤミテンのカン待ちからが来たところで待ち変え切りリーチに出る。

追いかけの木原のテンパイはドラドラ・チートイツ。
 ドラ

場況はこちら。


―――何年か前にたろうと共に放送解説をしたことがあった。

たろう「麻雀の読みって言うとさ、みんな『アタリ牌一点読み』のようなクリアな部分に焦点が当たるじゃない?でも実用的な読みはさ、可能性と可能性を沢山組み合わせて確率の濃淡を出していくイメージだよね〜」

要は麻雀が不確定ゲームである以上、『実効的な読み』はボヤッとしたものになるということを主張していたのである。
もちろんそのボヤッとしたものをどこまでクリアにすることが出来るかは技術であると―――

多くの人が着目するように2副露した後の7枚をピタリと当てる事ももちろん技術として重要である。
リーチ後に当たりやすい牌を考えることも重要である。しかしそれを自分の手組にフィードバックし活用できるプレーヤーはまだ多くないと感じる。

たろうの読みvs木原の読み
双方素晴らしい読みである。しかし最後は“抽選”という無機質なものに左右されることとなる。
抽選結果、木原がたろうから8000は8600をアガる。

南1局
小川 30100
たろう 1000
角谷 45700
木原 23200

小川の親番。
たろう視点では小川に点棒を稼いでもらい、小川にトップになってもらいたい。もしくは自身が大きなアガりで着順アップといったところ。

2巡目に角谷にの仕掛け。すぐに上家たろうは角谷に絞りながらの進行を取る。絞りつつドラを重ねてのテンパイが入る。

たろう
 ツモ ドラ
ドラドラテンパイにより押し出される形でが角谷に放銃となる。

角谷
 ロン ポン ドラ
打点こそ安いが角谷が局を進めることに成功した。

南2局、たろうの親番。
小川から先制リーチが入る。
 ドラ

たろうは3フーロで応戦。
 チー チー ポン ドラ
もうたろうは小川から見逃す余裕はない。

無情にも小川のツモの声と共に手が開かれる。
このアガリによりたろうはハコを割る。たろうに不利になる抽選が続く。

南4局、オーラスは角谷が自力決着。
 ツモ ポン ドラ

19回戦スコア
角谷 +64.8 (+97.8)
小川 +14.6 (▲296.8)
木原 ▲16.1 (+37.6)
たろう▲63.3 (+155.4)

 

★20回戦★

19回戦にトップラスを決めたことで角谷がたろう追撃の一番手に名乗りをあげる。
・角谷はたろうと57.6差である。
・木原はたろうと117.8差である
(同点の場合は、木原、たろう、角谷の順番で決まる)

主な条件は、
・角谷はたろうに対しトップ3着以上、もしくはトップ2着で17700差にすること。
・木原はたろうに対しトップラス37800差、かつ角谷を捲ること。
・たろうは条件を満たされなければ良い。

運命の20回戦が始まった。

東1局、親の角谷からリーチが入る。
 ドラ


既にテンパイしていた小川が高めのを掴む。当然止まらずに角谷に12000の献上。

東1局1本場、たろうが先制リーチ。
 ドラ

しかしヤミテンの小川に放銃。
 ロン ドラ

ゼウスが決定戦で終始自分を中心に回し続けていた麻雀の歯車がどうも噛み合わなくなってきている。

角谷だ。

角谷がグイグイと自分の動力で歯車を回し始める。

東3局
木原の渾身のリーチ。
 ドラ

角谷がを掴む。
 ツモ ポン ポン ドラ
従来ならば高速ツモ切りをしていただろう。が、ここはピタリと止まる。角谷の押し引きに状況が噛み合う。

東4局1本場
南家・ 角谷
 ツモ ドラ
【第一の選択】

どれも一長一短。
⇒角谷はドラのツモ切りを選択。

【第二の選択】
をポンorしない
⇒角谷はポンせず。

二つの選択を正解させた角谷にテンパイが入る。
 ツモ ドラ
ここは、ヤミテンに構えた。

【第三の選択】
 ツモ
、リーチorヤミテン
⇒角谷は切りリャンメンリーチ

これが大正解となる。

 ロン ドラ 裏ドラ
木原から5200。このアガリで角谷が4.2P上になる。

南2局、木原最後の親番。
何としても角谷を捲る必要がある。
木原
 ドラ
大物手を育てるも、テンパイ目前で たろうに捌かれる。

たろう
 ロン ポン ドラ

ここで木原脱落。

私は木原の考え方が好きだ。後に木原は述懐する。「決定戦、下手くそだから負けました」と。
「麻雀は選択と抽選のゲーム」ということは一切言い訳にしなかった。

皆の木原のイメージは負けても淡々としている姿があったと思う。
決定戦の抽選に外れた位にしか思っていないように見える人もいるかもしれない。
そんな訳はない。死ぬほど勝ちたいだろうし、負けたら悔しい。

ただ最後まで相手をリスペクトし常に最善手を求め続け、負けても相手を称える姿は、とてもかっこいい。
私が決勝で負けた時、勝った相手に真っ先に握手するのは木原へのリスペクトでもある。
その憧れの先輩は今日もそこにいた。

南3局、小川の親番。
角谷が自力で小川の親を流す。
 ツモ ドラ

小川も脱落。

私のプロ研修時代、小川は特別講師として言葉をかけに来てくれた。
その年の新人王は小川であった。入会と同時に実力を認められ新人王出場資格最終年に戴冠。

小川「麻雀プロでいることは厳しいものです。でもやってると良かったなと思うことが必ず来ます。良かった、と思えるまではみんな頑張ってね!」

今回の決定戦の敗因は、心技体すべてにおいて土俵に立てなかったことだと述べる。
終始小川には苦しい展開であったがこちらもそんな言い訳はしない。
小川がまた決定戦に戻り、“やってて良かった”と思える日がまた近いうちに来ることを確信している。

南4局、事実上たろうと角谷の一騎打ち。
角谷は11.5P差を逃げ切れば雀王となる。たろうはそのポイントを捲り、かつノーテン流局させる必要がある。

一部SNSでも有名になった何切るが角谷に訪れる。

 ツモ ドラ
の選択肢がある。
角谷の選択は。オーラスで自分かたろうしかアガらない状況でポンと心中はできない。
ただしチーの三色は残したいし、-引きでのリャンメンリーチも残すというものだ。私もオススメの選択である。

程なくして目論見通りチーで-待ちテンパイとなる。

このままでは引き下がれないたろうもリーチを入れる。

 ドラ

たろう注目の一発目・・・

そこにはいつもいるはずのド高めである・・・ではなく、新時代の到来を告げる

20回戦スコア
角谷 +76.8 (+174.6)
たろう+2.7 (+158.1)
木原 ▲27.2 (+10.4)
小川 ▲52.3 (▲349.1)

たろうは敗因を「自分の力不足、やりようはあったかも」と言葉少なく語った。
たろうの引き出しの量と質を疑う者はいない。しかしながら大逆転を許してしまったたろうはまだまだ先を見据えていた。
たろうについて今更多くを語るのはやめておこう。4日間の観戦記に散りばめられているはずだ。
絶対的王者の強さは、負けてなお高く評価されただろう。

角谷は言う。
「負けて内容を評価される者もいる。負けてやっぱりと思われる者もいる。自分はまだ後者である」

応援してくれたファンへの感謝を述べるとともに角谷もまた先を見据えていた。
彼のマジカルと称された特異な打牌。もちろん彼が勝ちたくて勝ちたくて考え抜き選択した打牌だ。
言われる筋合いのない批判も多く受けたのだろう。

角谷には雀王の王冠をかぶり他のタイトル戦でも圧倒的な勝利を納めて欲しい。

さぁ新しい時代の幕開けである。


(文・斎藤 俊)

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