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最終ポイント成績

順位
選手名
TOTAL
1回戦
2回戦
3回戦
4回戦
5回戦
1
綱川 隆晃
139.0
24.7
49.5
16.4
40.4
8.0
2
鍛冶田 良一
-0.3
-21.3
-35.0
35.7
0.7
19.6
3
小林 雅
-61.9
3.5
-19.6
-13.2
-26.0
-6.6
4
矢島 亨
-77.8
-6.9
5.1
-38.9
-15.1
-22.0

≪決勝観戦記≫

日本プロ麻雀協会で唯一、一発裏無しルールを採用しているタイトル戦「オータムチャレンジカップ」も今年で早9回目を数えることになった。
過去にサイコロ太郎、大浜 岳、吉田 基成、下石 戟、仲林 圭、そして昨年覇者の菊地 俊介と(優勝当時)20代選手の活躍が印象強いこの大会だが、今年の決勝に駒を進めた選手は以下4名。

鍛冶田 良一(第1期・今期Aリーグ所属)
小林 雅(第8期前期・今期リーグ戦未登録)
綱川 隆晃(第6期後期・今期B1リーグ所属)
矢島 亨(第6期後期・今期Aリーグ所属)

そしてHPの速報にも出ている通り、今年の決勝は4名の中で唯一の20代・綱川隆晃の圧勝で既に幕を閉じた。

綱川 隆晃

体格は恰幅が良く、見た目も貫録はあるが確かにまだ20代。
アマチュア時代に『六大学麻雀リーグ』で早稲田大学副将として活躍。
第6期後期に日本プロ麻雀協会に入会し、C3からAリーグまでストレートで昇級。
これは現時点で協会内において綱川只1人が達成している記録である。

その後のAリーグでは2期連続でリーチ国士に放銃という珍記録を残して昨年降級。
そして今年のB1リーグも残念ながら連続で降級となり、来期はB2リーグ所属予定。

昨今協会の対局配信では実況解説でお馴染みの男だが、
自身が選手として協会主催タイトルの決勝で打つのは今回が初。
ちなみに今年2月に行われた最高位戦主催のタイトル戦「第22期發王戦」でも決勝に残っており、
2人勝ち抜けのトーナメント戦で何と13連勝中と無類の強さを誇っている。

愛称つなんだー。東京都出身。血液型A型。雀風について聞くと、一言「ホンイツ」。
好きな食べ物は肉全般、嫌いな食べ物は椎茸。趣味は格闘ゲーム。好きな女性タレント綾瀬はるか。
最近ダイエットでもしてるのか以前より痩せ気味。

と、決勝があまりに一方的過ぎて書くネタも少ないので、知ってる限りの綱川情報を書きまくって尺でも稼ごうと思ったが…
これ以上書くと本人に怒られそうなので、そろそろ真面目に「第9回オータムチャレンジカップ決勝」における綱川 隆晃優勝の軌跡を振り返ってみようと思う。

 

★1回戦★(綱川→鍛冶田→小林→矢島)

開局早々に役牌を仕掛けた矢島の1000・2000和了で幕を開けた決勝戦。
迎えた最初の親番で好スタートを切ったのは鍛冶田だった。

東2局1本場、鍛冶田(東家)
 リーチツモ ドラ

東2局2本場、鍛冶田(東家)
 ツモ ドラ

一発裏無しルールにおいてこの2局で得た約9000点分の加点は決して少ないものではない。

鍛冶田 良一、第1期・今期Aリーグ所属

“破壊王”の呼称で知られる、現日本プロ麻雀協会副代表。
過去に第1・2期雀竜位、第4期雀王を獲得しており、実績面では今回の決勝メンバーでも随一と言える。
ここ数年Aリーグでは苦しい戦いが続いていた鍛冶田だが、
今年は8年ぶりの雀王決定戦進出も既に決めており目下好調。

オータムチャレンジカップは過去優勝こそないものの、
第1・7回でも決勝まで駒を進めており相性の良い大会でもある。

翌月から幕を開ける雀王決定戦に先駆けまずはこの大会で優勝を飾りたい、
と本人も意気込みを語っていた。

 

 

1回戦はこのまま鍛冶田がリードする展開かと思いきや、迎えた3本場で今決勝最初の2軒リーチが勃発。

東2局3本場 ドラ
まずは綱川が6巡目に高め三色の先制リーチ。
綱川(北家) 6巡目

対する鍛冶田、8巡目に以下形で追いつく。
鍛冶田(東家) 8巡目

ドラカンチャン待ちの役無しテンパイ。
無難にオリるか、ダマにして様子を見る手もあるが、鍛冶田の選択は真っ向勝負のリーチ。
曲げるには心許ない形だが、裏腹に和了できた時のリターンは大きい。
もしツモって2600オールとなればこの半荘のトップはかなり濃厚となるだろう。
まだ1回戦目の東場、勝負所と位置付けるには少し早いが、鍛冶田は早くもハイリスクハイリターンの選択を採ってきた。

結果はを掴んで綱川への放銃、結果ハイリスクの方を負う形となったがこれは仕方なしか。
綱川(北家)
 ロン ドラ

東4局矢島の親番。
鍛冶田と矢島の2軒リーチで流局した1本場は、綱川の手順が光った。

東4局1本場 ドラ 供託2.0
綱川(南家) 1巡目

供託が2本あるので是が非でも和了したい状況、綱川はここから打
が簡単に叩ける事前提であれば残しておいた方が良いが、叩けなかったことの場合を考えてホンイツと三色を見た手組に構える。

結果としてその後がすぐに鳴けて、9巡目に親の矢島が切ったをチーしてテンパイ。
と思いきや、2枚見えのドラ表示牌待ちでは苦しいと見るや、ノータイムの打でテンパイ取らず。
綱川(南家) 9巡目
 チー ポン 打

その後を重ねてテンパイが復活すると、小林のリーチ宣言牌を捕らえ、目論見通り供託の回収に成功。

テンパイまで最速の道程を目指すならを残してのバックも辞さずに仕掛けた方が良いのだろう。
しかし最速のテンパイが最速の和了になるとは決して限らない。
ましてや一発と裏の無いこのルールでは、字牌は協会ルールより絞られる可能性が高い。
それならばと急がば回れの打、そしてその後の場況を見てのテンパイ外し。綱川の今日のデキの良さを感じさせる。

南1局は綱川のホンイツ仕掛けと小林のリーチに挟まれた鍛冶田が、小林に痛恨の7700オリ打ち。

東2局でも満貫を放銃した鍛冶田だが、精神的にはこちらの放銃の方がダメージが大きかっただろう。
対照的に4人の中で最遅ながら初和了を果たした小林。
立ち上がりは少し緊張している様な印象を受けたが、これでかなりリラックスしてきたのではないだろうか。

この局でできた並びのまま迎えたオーラスではトップ目綱川と2着目小林のコンビプレー。

最終形だけと見ると綱川が小林に1000点放銃しただけの局だが、このオーラスには2人の細かい駆け引きがある。
小林(北家) 10巡目
 ツモ ポン チー ドラ
1000点をアガれば2着浮上の小林。2つ仕掛けれて10巡目にテンパイ一番乗り。
ここで何を切るかと聞かれれば選択の余地は無いのだが、焦点は切るテンポだ。
この時小林は一旦テンポを遅らせて、わざとゆっくりとを河に置いた。
小林の河には既にドラのが切られており安手であることは明確、そしてオーラスの点棒状況は以下の通り。
綱川 40700
矢島 28100
小林 27500
鍛冶田 23700
散家に満貫より安い手なら放銃してもトップ安泰の綱川。小林の意図を汲み取り、バラバラの手牌からを抜いて1000点の差し込みに成功。
牌譜紙面には一切残らない地味なプレーだが、微妙な間合いを使っての見事な連携。
お互いを打ち手として信頼できるからこそ成せる技だろう。

かくして万全の内容で初戦トップを飾ったのは綱川。
小林も2着で上々の立ち上がり、オーラス捲くられたとはいえ矢島にとってもこの3着は想定内だろう。
1人胸中穏やかでないのは最多の和了をしながら、2度の満貫放銃で痛恨のラスを引いた鍛冶田だ。

1回戦終了時スコア
綱川+24.7 小林+3.5 矢島▲6.9 鍛冶田▲21.3

 

★2回戦★(矢島→小林→鍛冶田→綱川)

東パツ親番の矢島。
平場は鍛冶田と綱川の仕掛けを掻い潜って1000オールをツモると、1本場では2巡に高らかにリーチ宣言。
スピード、形、打点と文句なしのこの手を9巡目にツモ。この和了には矢島本人も気分が良かったことだろう。

東1局1本場
矢島(東家) 9巡目
 ツモ ドラ

矢島 亨

第6期後期入会・今期Aリーグ所属
昨年は自身初となる雀王決定戦進出を果たした新進気鋭のAリーガー。

私と矢島とは同じ研究会で毎週の様に顔を合わす間柄だが、
その麻雀スタイルは一発裏オカ有りの協会ルールでこそ最も真価を発揮するタイプに思える。

矢島レベルの打ち手であれば、ルールに合わせたある程度のバランス調整は当然できるだろうが、
どの程度いつもとバランスを変えてくるのか個人的には非常に興味深い。

「ここまで来たからにはどんな内容でも勝ちたい」
“格”という言葉を使うなら鍛冶田以外の3名で初戴冠が一番相応しいであろう矢島。
事前のインタビューからも強い意気込みが感じ取れる。

 

そしてこの半荘矢島にまず肉薄したのは1回戦目2着だった小林である。

小林 雅

第8期前期入会・今期リーグ戦未登録
今年の決勝にただ一人予選から勝ち上がってきたのがこの小林。
しかも本戦は補欠からの繰り上がり出場という追い風も手伝ってここまで見事辿り着いた。

私が小林の麻雀を見たのは前日の準決勝トーナメントが初めてだが、
効率的な手組を好む打ち手という印象を受けた。

逆に言えば一発裏無しのルールで必要な打点を得るための手役意識とバランスが他3名より少し弱いと予想していたのだが、この親番を見る限りその心配は杞憂に思える。

タイトル戦の決勝も昨年の第12期新人王戦で既に経験済。
麻雀の場数も豊富そうだし、格上3名のメンバーの中でも縮こまっている様子も見られない。

東2局2本場 ドラ
小林(東家) 5巡目
 打
500オール、流局で迎えた親番2本場の小林。
まず5巡目に役無しドラ1の先制テンパイをするが、テンパイを取らずに一盃口固定をする為に打
次々巡ツモって来た牌は

小林(東家) 7巡目

両面にならないのは不満だがは場に見えていないし、周りの好形変化が少ないのでリーチする打ち手も多いと思うが、小林はダマテンを続行。するとこの手が9巡目にドラを重ねて、七対子に早変わり。

小林(東家) 9巡目
 打
そして直後に矢島からが打ち出され9600は10200の直撃、あっさりとトップを逆転した。
凡庸に効率だけを追う打ち手にこのは決して捕えられない。
矢島にとっては不運な放銃だが、これはこの形に仕上げた小林の方を褒めるべきだろう。

2回戦はこのまま小林と矢島が主導する展開になるのかと思いきや、
迎えた東4局の綱川の親番がこの半荘、いやこの決勝最大のターニングポイントだった様に思える。

東4局 ドラ
まず仕掛けを入れたのは親の綱川だった。
綱川(東家) 8巡目
 ポン
七対子のイーシャンテンでもあるが、可動性を重視してをノータイムでポン。
綱川がこの形のままツモ切りを続けていると、同じくイーシャンテンとなっていた南家矢島の手が13巡目に止まった。
矢島(南家) 13巡目
 ツモ

綱川の河は以下の様になっている。


綱川の手はをポンした際の打以降はすべてツモ切り、又の前のはすべて手出しとなっている。
まだイーシャンテンの可能性もあるが、安い打点は考えづらいし、巡目も終盤近い。
矢島もまだテンパイしていないし、直前の親が切ったのチーテンも取らなかったことも踏まえて、このは止めるだろうと予想していた。

しかし長考の末、矢島はこのを切り出した。
当然それを仕掛ける綱川、次巡を加カンしリンシャンツモで4000オール。
綱川(東家)
 ツモ カン ポン ドラ

矢島が何故このを切ったか?
私個人の見解を述べればこれには2つの理由があると考えている。

まず1つ目は矢島の雀風。
先にも述べた様に矢島は"自分がトップを取る"ということについては協会でも指折りの能力を持っていると言って良い。
逆を返せば攻撃的な雀風故に、今回の様なリスクを背負うことも当然あるということだ。
優勝者のみ偉くて、他3人は同価値という決勝戦のシステムも矢島に平素より更に深い踏み込むを誘発させたのだろう。

そして2つ目、こちらの方が理由としてより大きいのかもしれないが、綱川と矢島という2人の関係性がある。
綱川と矢島は協会の同期入会、2人ともC3リーグからAリーグまで籍を同じくし幾度となく対戦を繰り返してきた。
自他共に認める良き好敵手と言って良い。

そして綱川の雀風は遠くて高い(あるいは高い可能性がある)仕掛けをよく多用する。
矢島はその仕掛けを誰よりも直に見てきており、綱川の仕掛けには独自の対人バランス感覚がある筈だ。

更に言えば「綱川を倒して優勝する」という対抗意識も強くあっただろう。
その綱川に対する特別な意識がこの局、いやこの決勝全般に関しては終始悪い方向に働いてしまった様に見えたのだが、
結果も相重なってこの局の出来事は特に印象的だった。

続く1本場、またも綱川の高打点が炸裂。放銃したのは仕掛けを入れていたトップ目の小林。

リーチしている親の綱川がを対子で落としており押し引き判断の難しい局面ではあったが、小林の手はドラ単騎とはいえ満貫。
仮にこの場面でドラより前に無スジや危険牌を引いていた仮定すると、その時は打点が見合わないのでは切らずに即撤退してただろう。
そう考えるとおそらくこの場面、ドラのさえ持ってこなければ放銃は避けられた可能性が高い。

結果として綱川を追撃すべき立場の矢島、小林の両名が敵に塩を送る形となってしまったこの2局。

この後矢島が親番で意地の3900オールをツモリ一旦並びかけるも、南4局の親番でトドメの3900オール。
南4局、綱川(東家)
 ツモ ドラ

終わってみれば綱川が連勝、しかも6万点を超える大トップでトータルポイントも大きく突き抜けた。
2回戦を終えて早くも同卓者3名には「綱川を沈める」という命題が課せられる形となる。

2回戦結果 綱川+49.5 矢島+5.1 小林▲19.6 鍛冶田▲35.0

2回戦終了時トータルスコア
綱川 +74.2
矢島 ▲1.8
小林 ▲16.1
鍛冶田 ▲56.3

 

★3回戦★(小林→鍛冶田→綱川→矢島)

連続ラスで後が無い鍛冶田が東2局の親番で点棒を積み重ねる。
綱川にとってはトータルラスの鍛冶田のトップは自分のトップの次に歓迎すべき展開だ。
そして鍛冶田のトップだけでこの半荘を終わらせないのが、今日の強い強い綱川である。

鍛冶田の連荘で迎えた東2局4本場、ノーテン罰符と鍛冶田のツモで20800点まで持ち点を減らしていた綱川。
3者としてはこのままラスを綱川に押し付けたい所だったが、矢島が綱川に満貫を献上してしまう。

東2局4本場、綱川(南家)
 ロン ポン ポン ドラ

「あの放銃はやり過ぎた」
対局後のインタビューで矢島が最初に採り上げたのがこの局だった。

この局、矢島にしても綱川にしてもお互いの危険牌はある程度絞れていた筈だし、矢島もドラが超危険牌であることは当然分かっていただろう。
平素の協会ルールは一発裏ドラにオカもある。更にリーグ戦は長丁場だ。
自身の手も満貫確定だし、このを放銃してもリカバリーの機会はまだまだあるのかもしれない。

しかしこの決勝は5半荘という短期決戦、満貫の価値も平素より大きいルール、仕掛けているのはトップを走っている綱川、そしてその綱川は現状ラス目。
これは見ている者の立場だからこそ言える野暮な思いかもしれないが、このを止めれる理由はあったし、ここを堪えてもっと綱川を苦しめる矢島が見たかった。
個人的にはこの和了が今決勝の決定打になった様に思う。

更には東4局矢島の親番。
綱川本人にとっては本意か不本意かは分からないが、この日観戦者が最も沸いたのは間違いなくこの局だろう。
イーシャンテンの配牌を貰った親番の矢島、しかし何と北家綱川からダブルリーチの発声。

(綱川…いい加減にしろよ…)

同卓者3人からそんな心の声が聞こえてきそうなこのダブリーだが、
数巡後矢島の切ったに開かれた綱川の手牌を見て、会場には早くも諦めムードが漂い始めた。

綱川(北家)
 ロン ドラ

ダブリーメンホンチャンタ役…
呪文の様な長い役を唱えて何食わぬ顔で16000点を受け取る綱川。
同卓者3人は苦笑して眺めるしかない。

この後鍛冶田が何とか3連勝だけは阻止するものの、綱川が大きい2着ではいよいよ優勝は秒読みだ。

3回戦結果 鍛冶田+35.7 綱川+16.4 小林▲13.2 矢島▲38.9

3回戦終了時トータルスコア
綱川 +90.6
鍛冶田 ▲20.6
小林 ▲29.3
矢島 ▲40.7

 

★4回戦★(鍛冶田→綱川→矢島→小林)

トータル2着目の鍛冶田でも綱川とは既に110ポイント以上離れている。
オータムルールであれば子の役満直撃1回でかなり並びかける事ができるが、
逆に言えばそれ位のことが起きなければこの差は如何ともし難い。

僅かな奇跡を信じて卓に座る3者だが、4回戦に待ち受けていたのは残酷なまでの綱川オンステージだった。

東3局、綱川(北家)
 ツモ 暗カン ドラ

東4局、綱川(西家)
 ツモ ドラ

南1局、綱川(南家)が
 ツモ ドラ

これらの手牌全てリーチしてのツモアガリ。
ポイント差を考えればもう大人しくしているだけで大丈夫そうだが、全く攻撃の手を緩めない。

完全な余談だが、この4回戦の合間、雀卓が2度もトラブルを起こして対局が中断されている。
雀卓も綱川に好手を送り込むのにいい加減疲れて(ry

南2局綱川の親番、矢島最後の意地。

南2局 ドラ
矢島(南家) 7巡目
 ツモ
まず7巡目に七対子をテンパイしていた所でをツモ。
しかし当然手牌は倒さず2枚切れのを落として変化を待つ。

更に次巡を引き入れてダブ南イーペーコになるが、10巡目にを引いて更に切りでテンパイ外し。
そして11巡目に出た2枚目のを仕掛けて、この最終形まで漕ぎ着けた。
矢島(南家) 11巡目
 ポン

この時点で綱川との点差は約20000点。
矢島にとってはこの半荘綱川より上の着順であることは最低クラスの条件。
ここでこの手を綱川から直撃するか、ツモって親被りさせてまずトップ目に立ちたい。
よって12巡目の小林のリーチ宣言牌がでもこれは当然見逃し。
しかし、その矢先に綱川があっさりホンイツをツモ和了。
綱川(東家) 13巡目
 ツモ チー ドラ

見逃した矢島も、見逃された小林も一度もツモ山に手を伸ばすことなくリーチ棒だけ回収される最悪のタイミング。
これも今日1日の綱川の強さを象徴する1シーンに思えた。

4回戦結果 綱川+40.4 鍛冶田+0.7 矢島▲15.1 小林▲26.0

4回戦終了時トータルスコア
綱川 +131.0
鍛冶田 ▲19.9
小林 ▲55.3
矢島 ▲55.8

 

★5回戦★(矢島→小林→鍛冶田→綱川)

オータムルールで最終戦を前に2位との差を150ポイント以上離したこの状況は完全にコールドゲームと言って良い。
最終戦オーラス綱川の親番を迎えた時点で、他3人の優勝条件は只の一つも残っていなかった(役満直撃でも不可)。
既に勝ち名乗りを受けた男は、静かに花道を引き揚げるかの様に18個の牌を河に置き決勝の幕を下ろした。

5回戦結果 鍛冶田+19.6 綱川+8.0 小林▲6.6 矢島▲22.0

5回戦終了時トータルスコア
綱川 +139.0
鍛冶田 ▲0.3
小林 ▲61.9
矢島 ▲77.8

 

この日の綱川は疑うこと無く超強運だった。
表彰式で五十嵐代表が「日本人で今日一番強いんじゃないか?」と冗談めかす程、他3人は手の施しようが無かった。
これだけ書くと、「綱川が運だけ勝った」と思われるかもしれないが、一応断っておけばそれは私の本意ではない。

綱川の実力は彼をよく知る周囲の人間は認めている所だろうし、今までの戦果も少なからずそれを裏付けている。
そしてこの日1日だけの豪運以前に、過去の実績で得たシード権、トーナメントでの勝利、
そして他での数知れない敗北の糧があるからこそ今日があったことに疑念の余地は無い。

そう言えば決勝前日に綱川と軽く飲んでいた時、彼がこんな事を呟いていた。

綱川「いやー、やっと決勝残りましたよ!!」

私「いや、綱川今年2月の發王戦とか数年前の野口賞とか決勝何回か残ってるよね?」

綱川「違いますよ!協会タイトル戦の決勝です!!周囲の仲良い人が沢山協会タイトルの決勝残ってるのに、僕はまだだったから悔しいじゃないですか!!!これでようやく協会のHPに観戦記に自分に名前が大きく出ますよ」

何とも細かい部分に拘る男だが(笑)、こういった所にも綱川の競技麻雀に対する熱意と負けん気が滲み出ている様に思えた。
これも彼の強さの秘訣の一つなのだろう。

続けてこんな事も言っていた。

綱川「最近麻雀熱がまた上がってきたんですよ。決勝も良い戦いができるかなと思ってます」

綱川は昨冬長年のメンバー稼業に区切りを付けて一般企業に就職した。
今までとは異なる環境に四苦八苦しながら麻雀と距離を置く日々。
リーグ戦の不調等も重なって、本人もこのまま麻雀プロを続けるべきか思い悩んだこともあったらしい。

しかしまだまだ20代。プロ7年目と若手とは呼べなくなりつつはあるが、色々な衰えに悩むのは当分先の話だろう。
何よりその麻雀熱と負けん気があれば、これから先も協会員としての明るい未来を拓けるに違いない。

今回の戦果が新生・綱川の第一歩となることを期待して、観戦記の筆を置くことにする。

最後に改めて

つなんだー優勝おめでとう!!


文責:武中 真(文中敬称略)

 

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